中学受験は、小学校の授業だけでは到底合格に届かない。たとえそれが難関校ではなく、偏差値の低いいわゆる「楽勝すべり止め校」だったとしても。
そういった意味において、中学受験はある意味、高校受験や大学受験よりもずっと難しい。
子供たちは、長い長い受験との戦いの中で幾度となく壁にぶち当たることになる。
ところが、当事者である子供たちはまだ小学生であり、「自力」で状況を打開する術など持ち合わせてはいない。
そこで、通っている塾の担当講師に「全面的」に頼ることになる。
母親たちは、特別講習や補習に強化合宿など、担当講師の言いなりになるしかないのである。
進学塾の講師は百戦錬磨のエキスパートであり、彼らを信じてひたすらついていくことで、たいていの場合、4月からはあこがれの学校での新しい生活をスタートすることができる。
しかしながら
まれにではあるが
運悪く
ポンコツ講師に行き当たることがある。
そんなとき、講師の多少の力量不足は目をつぶっても問題ない。受験は4教科の合計で決まるのであり、1教科ぐらいビミョーな講師がいても、ほかの教科の講師陣がバックアップしてくれるからだ。
問題なのは、講師の力量不足が「多少」ではなく「致命的」な場合である。その教科が「算数」や「国語」であった場合はもう悲劇である。
そんなとき、保護者はどうすればよいのか。
解決方法は次の3つである。
1、思い切って転塾する。
2、子どもの可能性を信じ、そのまま見守る。
3、保護者として、「我が子のためならどんな苦労もいとわない」決意を固める。
1、転塾について
転塾は最も手っ取り早い解決法である。確実にポンコツ講師とサヨナラできる。
駄目なものには思い切って見切りをつけるべきであろう。
デメリットは、子供にかなりの負担を強いることである。転塾すれば一から環境に慣れなければならないし、せっかくできた仲間たちとも離れ離れになる。そして何より、「テキストが変わってしまう」ので、子供たちの頭が混乱することの無いように十分に気を付ける必要がある。
安易に渡り鳥のように転塾を繰り返してはならない。
2、現状維持について
子供の負担は最も少ない。
しかし、何も解決していない。
3、保護者の覚悟について
母親(もしくは父親)に相当のしわ寄せがくる。
しかも、うまくいく保障などない。
それでもなお、現状を打破するために決意を固めた保護者の方は、以下の内容を参考にしてほしい。(あくまで「参考」に)
国語の学習に行き詰ったら
中学受験において、算数と並んで最も合否を左右する教科が「国語」である。様々な中学校の入試問題の過去問からも、各中学が国語力のある生徒を欲しがっていることがわかる。
受験まで時間がある人であれば、読書の習慣を持つなどしてたくさんの文章に触れることで、筆者の伝えたいことを読み取る力をじっくり育むのも悪くはない。
しかしながら、この記事を読んでいる方はほとんどが5~6年生の保護者であろう。おそらく悠長に読書を始める時間的余裕はないのではないか。
実は国語の点数を伸ばすには、進学塾や家庭教師に全面的に頼るのが一番ラクであり、間違いがない。百戦錬磨のプロたちが寄ってたかって何とかしてくれるハズである。
では「塾や家庭教師を考えていない」あるいは「すでに利用しているが国語担当講師の力量が微妙である」場合はどうすればよいか。
それは、保護者自身が国語指導のプロになることである。
国語力を伸ばすための受験指南書は書店に行けば数多く陳列されている。
・出口の「システム現代文」や「論理エンジン」シリーズ
・板野の「ゴロゴ」解法公式集シリーズ
・船口の最強の現代文
どれも、大変わかりやすく素晴らしい。
ただし上記のシリーズは中高生や一般社会人向きであり、小学生にさせるにはハードルが高い。
そこで、まずは「本当の国語力」が驚くほど伸びる本(福嶋隆史)を 保護者が 熟読することをお勧めする。
そして、国語の力を伸ばす考え方が理解できたところで、論理的思考力を鍛える超シンプルトレーニング(福嶋隆史)を使って実際に我が子のトレーニングを始めて欲しい。
なお、この2冊の本は、小学生が自学するようには作られていない。
あくまで、「国語を教える側の大人」向けの本である。
書店で購入して、ポンと子供に手渡して、「これをやっておきなさい」などと丸投げしては絶対に駄目である。
保護者の方の覚悟が問われるが、それでもなお一歩を踏み出す心意気は、きっと子供たちに届くはずだ。
さらに演習を積み重ねたい人向けに、同シリーズの問題集も出ている。
うまくハマれば、子供の読解力は革命的に変化するだろう。
読解力を鍛えているのに、国語の点数が一向に伸びないことがある。
一所懸命に読んでいるのに目が文章の上を滑っていくようで、ちっとも内容が頭に入ってこないのだ。
そんなときはたいてい、文章に出てくる語彙や漢字をそもそも知らない場合が多い。
ここでいう「漢字を知らない」とは、漢字の読み書きだけではなくその「意味」を知らないということである。
漢字学習で手っ取り早いのは「漢字検定」である。10級から確実にクリアしていって5級まで獲得すれば、北九州での中学受験には十分であろう。
漢字力だけで、子供の国語力は随分と違ってくる。
しかし、単に漢字を覚えるのではなく、しっかりと意味をつかんで文章を読み取る力に結び付けたい場合は「頭がよくなる漢字」シリーズをお勧めする。
ばかばかしいなどとは思わずに、きちんと「小学1年生用」からやること。
意外なところでの躓きにいちいち驚いている場合ではない。
「玄界灘の難関中学」が書けるのに「玄関」を書き間違えるのが小学生である。
読解力を鍛え、漢字も覚えたのに、国語の点数が一向に伸びないことがある。
実は、小学生は誰しも「思いがけない常識の欠如」を内包している。かなり優秀な子が、ビリギャル並みのトンチンカンなことを考えていたりするのは特に珍しいことではない。
「いくらなんでもこれくらい知っているだろう」という大人の思い込みは「幻想」である。
騙されたと思って「小学生の必須常識」が身につく問題集を試してみて欲しい。
以上、エラそうに書きましたが、少しでも皆様のお役に立つことができたらと思います。
最後に一言、
「自分がこの歳のときには、ちゃんとこれこれこういう風に勉強していたものだが、うちの子は何で・・・」と思う瞬間はありませんか?
それ、「思い出が美化されている」だけですよ。