2016年4月1日金曜日

受験攻略 照曜館中


◆概略◆
  • 私立(学校法人東筑紫学園
  • 男女共学
  • 中高一貫校であるが、名称は「照曜館中学校」⇒「東筑紫学園高等学校(照曜館コース)」と変化する。照曜館高校という名称は通称。

◆人気度◆
 2013年度より難関大学現役合格を目指す特待生のみの特別クラス「プレミアクラス」を設置し話題に。同年は附設合格生など何人もの有望な生徒の獲得にも成功しており、2019年の第一期卒業生の進路に注目していたが、さほどインパクトのある合格実績は出ておらずやや拍子抜け。来年度以降の挽回に期待。

 同校のスタッフは、「東大、京大、九大などの国公立難関大合格者を増やして北部九州でNo.1の私立を目指す!」のだと鼻息も荒い。
 しかし、照曜館の魅力は、実は、国公立大ではなく難関私立大の合格率の異常な高さにある。(同校教職員は気づいていなさそうであるが)。
 合格者数実績を見ても他校とさほど変わらないように思われるかもしれないが、同校の1学年あたりの人数の少なさ(少人数クラスが3~4クラスのみである)を考慮すると、(ミッション系女子校には劣るものの)早慶上理MARCH関関同立クラスの合格者数は異常値である。推測の域であるが、指定校推薦枠を相当数確保しているのではないだろうか?

 ともかく、進学校化を目指したいという意向は感じられる。カリキュラムのボリューム(質はともかく)も数年前と比べると明らかに多くなってきた。逆に、ほどほどののびのびとしたスクールライフを求める層には校風が合わなくなってきている。


◆入試情報◆
前期試験
  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)の4教科学力テスト(計300点)
  • 募集定員80名(プレミア スーパー20名、プレミア エイム30名、スタンダード30名)
  • プレミアクラス合格者は特待生として各種優遇がある。

後期試験
  • 国語(100点)、算数(100点)の2教科学力テスト(計200点)
  • 募集定員20名(スタンダード20名)

前期試験では算数と社会の間に昼食時間が設けられる。したがって、社会と理科の最終チェック用の教材を持参すべし。

◆攻略ポイント◆
 北九州地区の中では、比較的難易度の高い問題を出題する部類に入る。しかしながら、必ずしも高得点を取らなくても、スタンダードクラスの合格は不可能ではない。難問・奇問に手が出なくとも、とるべき問題をしっかり正答する逞しさが欲しい。


【国語】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。明治学園中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習すると効果的。
 理科社会に比べて配点が大きいので、国語が弱い受験生は不利。読解力、文章力、漢字や語句を、受験用テキストを使ってしっかり学習してほしい。
 なお、国語の学習は我流で量だけこなしても、ある程度までしか力はつかない。特に、6年生になってから本格的に受験勉強を始めた後発組は、あせらずに基本から学習すべきである。読解力に自信がある生徒でも、いきなり6年生向け受験テキストから始めると撃沈することも。
 四谷大塚の予習シリーズで自学習する場合は、小4上~小5下のテキストと演習問題集をこなしてから、受験勉強に入るべき。
 国語が苦手な場合、予習シリーズの4年生用でもハードルが高いので水王舎の「論理エンジン」シリーズの小3あたりから丁寧にやった方が結果的には近道。
 漢字や語句は、漢字検定5級以上の力があれば問題ない。


【算数】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。明治学園中や小倉日新館中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習すると効果的。
 出題傾向は、計算問題から図形、グラフ、規則性問題、文章題まで幅広い。問題量は標準的だが、計算力のない受験生は制限時間内に解き終わらない可能性がある。毎日の計算練習は不可欠。

 保護者の中には、我が子のケアレスミスの多さに悩む人も少なくない。塾や家庭教師センターで都麦出版「計算完成300日」が入手できる場合はぜひ取り組むことをお勧めする。(入手できない場合は、でる順計算などの市販のドリルで代用)毎日欠かさず取り組むこと。
 前半の小問集で取りこぼしがある人は、下剋上算数シリーズの基礎編などで徹底的に土台を固めるのもよいだろう。


【社会】
 どの分野もまんべんなく出題される。北九州市や福岡県にちなんだ問題が出題されることがあるので、小学校の教科書(4年生以降)も必ず一通り目を通しておくこと。同校の過去問を研究することはもちろんのこと、九州国際大学付属中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習しておきたい。 
 暗記事項は、旺文社の「でる順」シリーズなどで夏休みまでには片を付けておきたい。正答率の低い単元は日能研「メモリーチェック」や四谷大塚「四科のまとめ」でしっかり補って欲しい。

 ※2016年度入試では、社会科がかなり難化した印象。来年度以降の受験生は、近隣中学だけでなく、福岡市内の私立中過去問もやっておいた方が良い。

 なお、社会科で知らないことやわからないことに行き当たったときは、旺文社の「わかる社会」や学研の「?に答える小学社会」などの辞書本で知識を増強すること。

 どうしても覚えられない単元は、カラーコピーを大きめの情報カードに貼って毎日しつこく復習するのもお勧めだ。(ある生徒のご家庭ではトイレの壁一面が情報カードで埋め尽くされていたが、偏差値26だったこの生徒は、同校や明治学園など受験校すべてに合格してしまった!)



【理科】
 割と難しい。過去問学習必須。九州国際大付属中や小倉日新館の過去問も練習になる。
 でる順」シリーズメモリーチェックは早めにマスターしておきたいが、理科が苦手な受験生や、6年生になってから受験勉強を始めた後発組は、先に国語と算数に取り組んで理科を後回しにする戦略も悪くない。理科の配点は50点と低いので、最後の追い込みで知識問題を詰め込んで帳尻を合わせることも可能だからだ。

 理科も社会同様、旺文社の「わかる理科」や定番の「スーパー理科事典」を使って、わからないことはすぐに調べるように。


4教科共通の推薦テキスト】⇒テキスト特別キャンペーン中!

・中学入試 新小学問題集(塾専用教材)
照曜館中で上位合格を目指す受験生に最適。各教科ステージ1~ステージ3までの3冊ある。ステージ1は4年生ぐらいから使用可能なので、早めにスタートして他の受験生に差をつけて欲しい。残念ながら一般の書店では入手できない。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入できます。

・新小学問題集「受験の攻略」(塾専用教材)
最小限の労力で合格を勝ち取るならばコレ。各教科1冊にまとめられているので、残り数か月からの逆転も不可能ではない。あきらめるのはまだ早い。1位だろうとギリギリだろうと、合格は合格である。あとは入学してからいくらでも巻き返せばよい。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入できます。 

・四科のまとめ(四谷大塚)
中学受験のバイブル的教材。基本が非常にバランスよくまとめられている。夏ごろまでをめどに一通り身につけておくのが理想。
 なお、四谷大塚には「予習シリーズ」という超有名テキストがある。久留米附設などの難関校を目指すのであれば、四谷大塚の予習シリーズはすらすらとけるようでなければならない。一方、北九州地区の中学校程度であれば予習シリーズはオーバーワーク。
⇒四谷大塚の教材販売サイト
※購入には会員登録が必要なようです。また、在庫がなくなった時点でその商品は発売停止になり、翌年度分が発売されるまで待たないといけなくなります。人気教材は早めに購入しておくことをお勧めします。

・メモリーチェック・ベストチェックシリーズ(日能研)
基本レベルのまとめに最適。四科のまとめと並んで、非常に人気が高い。特に社会は秀逸。
⇒メモリーチェック購入







【願書】
 願書は塾や家庭教師センターのほか、オープンスクールや学校説明会で入手可能。

 ちなみに・・・ココだけの話だが、照曜館中が第一志望の生徒は、ぜひオープンスクールの皆勤賞を目指そう。(理由は言えません、察してください。)


◆模擬試験◆
北九州地区では、首都圏で行われるようないわゆる「三大模試」に当たるものが存在しない。したがって、私立中主催の模試や外部模試を上手に利用してほしい。なお、大手進学塾の模試はテスト後のしつこい勧誘がないところを上手に選んでください。

 また、照曜館中主催の模試はないので、小倉日新館招待模試、九国プレ、敬愛模試などを活用してテスト馴れして欲しい。

小倉日新館中学招待模試
毎年10月頃に実施される同校主催の模試。無料で受けられるので、照曜館中を志望する受験生は練習もかねて受けておいたほうが良い。成績表の郵送を希望する場合は切手代実費。

国・私立中学入試模擬試験
中規模の全国模試だが、ほどほどの難易度のため北九州地区の合否判定にちょうど良い。第4志望まで判定できる。(4~7月は成績票に合否判定が付かないが、8月以降の成績票で累積判定として反映されるのでなるべく年間を通して受験したほうがよい。)成績票のコメントがやや辛口だが、成績が上昇すると気持ちがいいほど褒めてくれる。


◆当日の保護者の流れ◆
 試験が昼食をはさんで午後まで行われるため、自宅待機もしくは仕事に出勤する保護者が多いようである。
 自家用車で送迎する場合は、少し離れたところで降車して徒歩で校門まで向かった方がよい。試験当日は学校周辺のいたるところに誘導員が大量配置されているので安心である。


入学後の様子◆

学習編
  • プレミアクラスの授業はなかなかのボリューム感がある。一度出遅れてしまうと追いつくのが大変になるので、予習、復習や宿題など、手を抜かずに全力でやったほうがかえってラク。時間的な制約を考えると、自学が大前提であるが、どうしてもついていけずに塾や家庭教師を利用する場合は、社会人のプロのほうが良いだろう。学生のアルバイトでは対処できない。
  • 同校から医学部医学科への合格イメージはあまりなかったが、ここ数年ちらほらと出始めてきた。なお、私立大医学部専願の場合は、入試で英語・数学・生物・化学しか必要ない場合も多いので、無理にプレミアクラスを目指すのではなく、スタンダードクラスで4教科の基本問題、標準問題を徹底的に学習するのもアリだ。言うまでもなく、私医受験に難問学習は不要。標準問題で超高得点を取れるようにしなければいけない。(プレミアクラスだとオーバーワーク気味)
  • 難関私大の指定校枠が充実しているが、当然、評定平均値など厳しい条件をクリアする必要があるので、同校に合格したからといって浮かれていると、後悔することになる。中間テスト、期末テスト、課題提出などにしっかり取り組んで、評定値(通知表の点数)を勝ち取ってほしい。
  • 徐々に改善されつつあるが、他校と比べて理科の進度が異常に遅いのがやや気がかり。授業難度も高すぎる。(内容は悪くないのだが、大学受験のことだけを考えると負担が大きい)。理系志望者は、各自で理科だけは中学のうちから早めに対策をしておいたほうがいいのではないか。

生活編
  • 生徒が無断でエレベーターを使用するとたいそう叱られるので、疲れていても階段を使うこと。教員にばれずに乗ってみせるぞ、などという無謀な挑戦をしても、勇者にはなれない。大きな後悔だけが残る。
  • 合唱コンクールなどの学校行事で謎の盛り上がりを見せる。
  • 長らくスマートフォン持ち込み禁止であったが、解禁されそうな気配。もちろん授業中は使用できない。

大学進学実績編
  • プレミアクラスの結果が出そろいつつあるが、九大医学部をはじめ国私立大学医学部医学科の現役合格を複数名出しており、一定の評価ができる。
  • 東大受験に関しては相変わらず弱い。以下はあくまで筆者の個人的感想であるが、同校の授業内容は、在籍生徒レベルよりもやや背伸びになりがちな傾向がある。もっと基本内容を大切にして土台を徹底的に固めた上で受験対策に取り組んだ方が東大合格に近づくのではないか。(※2020年度、ようやく東大合格を出すことに成功した。ただし、近年は近隣の複数の中高一貫校も東大合格者を出せるようになったため、優位性を作るのことはできなかった。)
  • 私大受験に関しては、指定校推薦枠が慶應や関関同立など文系理系ともに充実しており、近隣のマンモス私立校にはない魅力がある。
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照曜館中学校
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