2019年4月8日月曜日

【Q&A】どの中学を選んだらいいですか?【4/8更新】

いくつかのお問い合わせ内容を簡単にまとめています。ご参考までに。


Q:
 費用負担がなるべく軽いのはどこですか。普通のサラリーマン家庭なので。

A:
 単純に授業料負担が少ないのは、福岡教育大附属小倉中、県立中高一貫校(門司学園、育徳館、嘉穂、宗像、輝翔館)です。
 ただし、附属小倉中は高校受験が待ち構えていますので、学習塾などの費用負担を別途考慮する必要があります。
 場合によっては面倒見の良い私学を選んだ方が、塾費用が不要な分結果的に安くなるケースもあります。また多くの私立では特待制度があります。

 また、自宅から学校までの交通費や修学旅行費なども見落としがちです。
そのほか、強制ではありませんが、私立校では寄付金のお願いが学校によってはあります。
 
 最近は、学校パンフレットなどに各種費用をくわしく掲載している学校も増えてきましたし、オープンスクールや学校説明会でも丁寧な説明があります。
 授業料以外のご負担をよくご検討のうえ、志望校を決める際の参考にしていただけたらと思います。


Q:
 将来は小倉高校への進学を希望している。地元の公立中学からはほとんど合格できていないので、しっかり勉強できる環境を選びたい。どの中学を受験するのが最適か。

A:
 最適かどうかはともかくとして、福岡教育大附属小倉中、九州国際大学付属中、小倉日新館中の3校しか事実上選択肢はありません。

 合格者数では附属小倉中、合格率では小倉日新館中がそれぞれ結果を出しています。九州国際大学付属中は、同付属高への進学権利をキープしたまま公立高へのチャレンジができる点が他校にはないメリットです。
 
 もし、在校生や卒業生の知り合いがいるのであれば、学校での生の声を必ず聴くようにしましょう。説明会や世間のイメージだけで判断せず、自分に合った学校選びを心がけたいものです。


Q:
 県立中高一貫校から、他の高校を受験することは可能か?

A:
 厳密に言えば不可能ではありませんが、お勧めしません。中3での学習内容は高校の先取りになってきますので、受験勉強は別途行う必要があり、圧倒的に不利です。内申書も期待できません。また、万が一受験に失敗したときに、元々の高校に出戻ることが制度上できません。悪いことだらけです。


Q:
 クリスチャンではありません(代々仏教です)が、明治学園を考えています。不都合はありますか。改宗しないといけませんか。

A:
 その学校のスタンスに合わせられるのであれば、全く問題ありません。ちなみに、明治学園はカトリック系、西南女学院はプロテスタント系、敬愛は浄土真宗、など、宗教法人と学校経営の組み合わせはわりと一般的です。
 しいて負担があるとすれば、学校によっては期末テストで「宗教」の科目がありますので、他校の生徒よりも1教科多く勉強しないといけません。


Q:
 偏差値が30~40程度の中学って微妙ですよね。高い授業料を払って通わせる意味が分かりません。なんでみんな受験するんですか。

A:
 「偏差値」は、「学力レベルのランキング」ではありません。

 とはいっても、母集団の中での位置づけとしてはわかりやすい指標ですよね。ですから例えば大学入試センター試験やその模試などでは重宝します。

 ところで、このいわゆる「学力偏差値」は、
  受験生の得点分布が正規分布に近い形 であり、
  受験者数が非常に多い時 に、威力を発揮します。

 ところが、北九州という限られた地域内で、1校あたり数十人~百余人程度の募集定員の入試、ということになると、実はほとんど偏差値は意味をなしません。その証拠に、滑り止めに落ちて本命に合格した、といった現象は日常茶飯事です。
 少なくとも北九州地区では、簡単に合格できる中学はありません。どの学校も、きちんと努力しないと合格できないようなとても良い問題を出題してきます。

 偏差値で判断するのではなく、ぜひ、オープンスクールや説明会でお気に入りの学校を探してみて下さい。


Q:
 ↑上の偏差値の話が、いまいちしっくりきません。建前はぬきにして、やっぱりレベルの高い学校と低い学校があると思います。

A:
 建前を抜きにして申し上げますと、レベルの低い学校、と思っていらっしゃる中学校の高校入試での偏差値や大学合格実績をお調べいただければ、おそらくご納得いただけると思います。

 入学後の授業のレベル、ということでいえば、各学校ごとに独特のカラーがあって力を入れている分野も全く違いますので、単純に比較するのが非常に難しいところです。特に北九州地区の国私立中に関しては、同じタイプの学校が1つもないといっても言い過ぎではありません。各学校それぞれに良さがありますので、オープンスクールや説明会、各種行事に積極的に参加してみましょう。


Q:
 スポーツが盛んで大学進学実績もある学校はどこですか。

A:
 九州国際大学付属が部活動では全国的に有名です。スポーツで実績のある生徒の有名私大への進学も毎年のように出ています。ただし、一般的な指定校推薦枠はあまり充実していません。


Q:
 指定校推薦枠の充実している学校はどこですか。

A:
敬愛、照曜館、西南女学院、明治学園などがあげられます。ただし、指定校推薦は学校での成績面で基準をクリアする必要があるので、これらの学校に入学できたからといって必ず推薦してもらえるわけではありません。「自分よりも成績上位者が希望したために自分は推薦してもらえない」「自分以外に希望者がいないのに成績や出席日数が届いていないために推薦してもらえない」などということもしょっちゅうありますので、入学後の学習での取り組みは一生懸命に行う必要があります。もちろん、どの中学を選ぶかも戦略的に考える必要があります。


Q:
 大学入試センター試験が廃止されますが、新テストに少しでも有利になる中学はありますか?

A:
新テストになって最も影響のある教科は「英語」です。これまで日本の英語教育は「何年習っても話せるようにならない」「意味がない」といわれてきましたがそれは過去のものになりつつあります。
新テスト導入にあたって、国公立大学入試では英語の4技能型外部試験(新英検、TEAPなど)が重要になります。また、有名難関私立大学はすでに英語外部試験入試を導入済みです。つまり、英語の4技能を身につけることで圧倒的に有利に大学受験を戦うことができます。

オーソドックスなルート:
これまで、国公立大学を目指す場合は、小倉高校や東筑高校などの県立TOP校が最も高い実績を出してきました。新テスト導入後もある程度その傾向は続くと思われます。県立TOP校を目指したい人は、中学受験では小倉日新館中や附属小倉中を受験し、入学後は3年間しっかり高校受験対策に励みましょう。
なお、附属小倉中学は、優秀なクラスメイトと共に学べるというメリットはありますが、授業は高校受験を考慮して行うわけではありませんので、受験対策は各自計画を立てて頑張りましょう。(もしくは進学塾を利用する)。

戦略的なルート:
英語教育に熱心な中高一貫私立校を選んで、英検などの外部試験にどんどんチャレンジするのも良いでしょう。中高一貫であれば高校受験を気にせずに継続的に取り組めますし、英検などの外部試験は高校3年生でなくても受験できますから、早いうちに合格しておけば、受験期に他の教科の学習に専念できるメリットもあります。
問題は、どの中学が本当に英語を伸ばせる環境にあるかを見分ける方法です。というのも、どの中高一貫私立校のパンフレットやサイトをみても、「英語に力を入れています」アピールをしているからです。
どの学校もそれぞれに良さがありますので、ここでは具体的な中学校名は挙げませんが、以下のような学校は避けるべきかもしれません。
・外国人講師や帰国子女講師が常駐していない。
・成績上位者しか留学や海外語学研修を認めてくれない。
・文法テキストだけがやたらが難しすぎる。
・アピールがAPU研修や海外修学旅行メイン。
・海外から留学生がぜんぜん来ない。

オープンスクールや行事を通して、ぜひ良い学校を探してください。





ここからは余談:
生徒「先生、英検の他にTEAPも受けようと思うんですけど、どんな対策したらいいっすか?」
担任「ティープって何?」
生徒「・・・(は?知らないのかよ)」
この担任は英語教師であり、このクラスは私立文系選抜クラス(仮称)である。いくら受験のプロを自称していても実態はこの程度である。信じたくないが実話。こういう学校は選んではいけない。

Q:
 医学部医学科を目指すならどこの学校がおすすめですか。

A:
国公立大学医学部医学科の合格実績をもっとも残せているのは明治学園です。ただし、必ずしも現役合格を多数出せているわけではありません。浪人も辞さない覚悟で選択するのであれば悪くないでしょう。また、明治学園の授業は発展内容が多く基礎内容はある程度自学で補う必要があります。ついていけない人はどんどん振り落とされていきますので、上位合格者以外の人にはお勧めしません。

私立大学医学部医学科でもOKであれば、敬愛(九大医進コース)も有力な選択肢です。ここ数年安定して合格者を出せるようになってきました。こちらはどちらかというと基礎内容も含めて丁寧なフォローがなされている印象です。どこの大学でもいいのでとにかく医学部へ行きたいという人には良い環境といえます。ただし、同校の特進コースや進学コースではやはり合格は厳しいので、高校進学時のコース分けテストで九大医進コースに入れるように中学進学後も努力を怠らないようにしましょう。

このほか、西南女学院、照曜館からも医学科合格者がでています。

経済的な負担を抑えたい場合は、小倉日新館中(特待生)→小倉高or東筑高→国公立大医学部医学科or産業医科大学or自治医科大学 のルートが良いでしょう。


医学部バブルは今後も当分の間続くことが予想されます。一昔前であれば簡単に入れた医科大学でも、現在では超難関校になっています。医学部医学科への道は険しいですが、大学別の入試傾向をよく研究してぜひ合格を勝ち取ってください。

※入試傾向について:国公立大医、難関私大医(慶應医など)は発展的な考察力を問う出題にも対応できるかどうか、そのほかの私大医は大量の基本・標準問題で超高得点をとれるかどうかが攻略のカギとなるでしょう。


Q:
 中高一貫校でおすすめの私学はどこですか。

A:
北九州の主な私立中高一貫校は、折尾愛真、敬愛、照曜館、西南女学院、明治学園(50音順)の5校しかありませんので、この中からオープンスクールなどを通じて自分に合った学校を探しましょう。なお、西南女学院は女子校ですので、男子受験生は選択肢が一つ少なくなります。このほか、九州国際大学付属が中学校と高校を併設しています(カリキュラムは高校受験型)。


Q:
 娘が志望校に合格しました。が、何とチャレンジのつもりで受験した別の中学にも合格してしまいました。せっかく合格したのだから少しでも優秀な学校に行って欲しいのですが、本人は元々志望していた中学に入学したがっています。どうしたらいいですか。私は、少しでも偏差値の高い学校のほうが絶対いいと思うのですが。

A:
この度は合格おめでとうございます!さて、どちらの学校に行くべきか困っていらっしゃるとのことですが、そんな時は「入口」で決めるのではなく「出口」について考えてみましょう。「どの中学・高校に入学するか」よりも「卒業後どの進路へ進むのか」のほうがずっと人生におけるウエイトが大きいからです。
なお、北九州地区の中学校の偏差値は、あってないようなものです。はっきり言って五十歩百歩です。目先の偏差値だけにとらわれず、どの学校がお嬢様を卒業後の進路へ導いてくれる環境であるのか、オープンスクールや各種行事で感じたことをよく思い出して、思う存分悩んでみて下さい。


Q:
 とにかく東大を目指したいのですが。

A:
公立トップ校(小倉・東筑)一択です。まずは小倉日新館中の特待生を目指してみましょう。 


Q:
 とにかく難関有名私大を目指したいのですが。

A:
現在、首都圏の私大には入学者が定員オーバーした場合にペナルティがあります。(文部科学省の奇妙な政策方針のとばっちりです。)その結果、各大学とも推薦・AOなどの入学者が増加し、人数の読めない一般入試の枠が抑制される傾向が顕著です。

確実に難関有名私大への合格を勝ち取るためには、公立トップ校でこれまで以上に高い学力を身につけるか、推薦入試に強い私立校を選ぶか、の2択が現実的となります。

公立トップ校へは小倉日新館中の上位合格を目指しましょう。
難関私大への推薦枠は、敬愛、照曜館、西南女学院が充実しています。

以下随時加筆更新します




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