2016年4月1日金曜日

受験攻略 門司学園中

◆概略◆
 ・公立(福岡県立)
 ・男女共学
 ・2004年新設の県立中高一貫校
 ・よく勘違いされるが、門司高校および門司北高校が改称した学校ではない。
 ・設立当初は入試において抽選が存在したが、現在は抽選はない。
 ・中高一貫なので、高校受験を考えている人には不向き。(どうしても学校と合わない、などの理由で別の高校を受験することは不可能ではない)
 ・競争率が非常に高いことから、かなり優秀な受験生でも不合格になる可能性がある一方で、通常の学力テストではないことから、大して勉強せずにたまたま合格してしまう受験生も一定数存在する。(もちろん、入学後に苦労することにはなるが)
 ・校風はのんびりした感じ
 ・生徒間トラブルは、地元市立中と比べると格段に少ないが、全くないわけではない。


◆入試情報◆

  • 当日の流れ:受付・諸注意→作文(40分)→適性検査(50分)→昼食→面接→解散
  • 適性検査:福岡県立の他の中高一貫校と共通問題を使用。
  • 作文:同校独自問題。2016年度以降は、県内5校すべて共通問題。
  • 面接:児童のみの集団面接(5人程度をまとめて行う)。保護者面接なし。

開校当初は、どの県立中もすさまじい倍率になったが、現在はどこも落ち着いてきた。

【新着情報】私立敬愛中学で適性検査型入試を新設!
2021年度より、適性検査と作文で同校を受験可能になった。県立中の受検日程より1週間程度早くに入試日が設定されているので、力試しの意味でも同校を絶対に受験すべきである。
これまで県立中受験生は、福岡県内5校のうち1校しか選べないため、万が一不合格だった場合、地元中しか選択肢がなかった。


攻略ポイント◆
 例年夏と秋に学校説明会が行われる。時間が許すのであれば、なるべく参加したほうが良い。実際、4年生や5年生の保護者も多数参加している。なお、10月の説明会で願書を配布する。(説明会不参加でも、後日、願書を取り寄せることは可能)

【作文】
 通信教育の作文講座や、大手学習塾の夏休みセミナーのみで十分対応可能。ただし、国語が苦手な児童は通塾や家庭教師を検討すべし。
 原稿用紙は一列の字数が20字の一般的なものだけではなく、25字のものを使って練習すること。(なお、H24年度までは600字程度の題材が1問だったが、H25年度は300字程度の題材2問であった。H26年度は門司学園では再び600字一題に戻ったが、福岡県内の他校で300字二題が出題された。)
 
 いずれにせよ、「正しい原稿用紙の使い方」で、「誤字脱字」なく、「指示された条件」にあわせて「論理的」かつ「常識的」に書くことで減点を回避して欲しい。

国語力にどうしても不安がある人は、本格的に作文の練習に入る前に「ふくしま式」問題集などで土台を作ることをお勧めする。


【適性検査】
 算数系だけでなく、理科や社会科系の記述問題が出題される。一見易しそうな印象を受けるが、相当難易度は高い。
 過去問を繰り返しやった程度では不十分。問題集を数冊解きこなすぐらいの演習は必要である。

適性検査の推薦図書

公立中高一貫校適性検査問題集 全国版 (みくに出版)
全国の適性検査問題が掲載されており、問題量は十分である。(全部はこなせないかもしれない。)

アインストーン(好学出版)
国語、算数、社会、理科 それぞれ販売されている。良書だが個人入手が難しい。
進学塾や家庭教師センターを通じて購入してほしい。

公立中高一貫校受検を考えはじめた親子のための適性検査スタートブック これから適性検査の勉強を始める人は、上記の、みくに出版の問題集はややハードルが高いので、このスタートブックを一通りこなしてから本格的な学習に入るのもよいだろう。


【面接】
 時々、想定問答を何度も練習して、天才子役のように完璧に演じ切る受験生を見かけるが、これはあまりお勧めしない。想定外の質問を受けた時にボロが出やすいからだ。むしろ、子供らしくはきはきと答えることに重きを置いた方が良いのではないか。
 
 不安な場合は、直前期の冬休みに面接指導を行ってくれる大手塾がある。たいていの塾は正規塾生以外も受け入れてくれる。(もちろん有料だが)
 面接の順番は、願書提出順ではないかと推測される。期限ぎりぎりに提出すると昼食後自分の順番を数時間待つことになる。

面接の推薦図書

中学受験 面接ブック(声の教育社)
ぶっつけ本番ではさすがに心許ないので、塾などに通っていない人はこの本で練習してみてはどうか。(売り切れの場合はご容赦ください。)

中学受験公立中高一貫校面接対策 [DVD]
中学受験用のグループ面接対応DVDは残念ながらほとんどない。このDVDは福岡県版ではないが、何もやらずに不合格になるよりは、百倍良い。



【願書】
 一般的な申込用紙のほかに、「志願理由書」を提出しなければならない。「志願理由書」は受検する児童が自筆で記入する必要がある。いきなり書き込むのではなく、一度別の紙に下書きすることをお勧めする。
 また、「志願理由書」の内容に基づいて面接で質問されることもあるので、適当にきれいごとを書き並べてはいけない。
 
※2015年度から、小学校長の調査書が必要になった。私立小脱出組は非常に難しい選択を迫られることになった。


2025年度受検詳細はこちら(福岡県庁)



⇒過去問は早めに購入しましょう

当日の保護者の流れ◆
 交通の便が悪いため、自家用車で送迎する保護者が多い。臨時駐車場も用意されている。毎年送迎渋滞が起きるので、15分程度早めに会場入りするとよい。試験中、ほとんどの保護者は一度帰宅して自宅で待機しているが、保護者控室(校内の食堂)で待機することも可能。保護者控室にも問題用紙が掲示されるので、頑張って挑戦している保護者も見受けられる。



模試のご案内◆

小学ハイレベルテスト
公立中高一貫校対策模試

受験攻略 明治学園中


◆概略◆
  • 私立(ミッション系)
  • 男女共学(ただし中3までは男女別クラス)
  • カトリック系スクールであり、男女交際禁止など独特の厳しい校風がある。
  • 以前は開業医・医療関係従事者の子息・息女が多かったが、最近はそうでもない。地元会社経営者、自営業者の子女は相変わらず多い。
  • 学校設立に際しては九州工業大学と深い縁がある。(紆余曲折あって現在は完全に切り離された別物。)2007年までは学校法人明治学園の運営であったが、2008年からは学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムが経営。

人気度◆
 全国区での知名度はさほどないものの、北九州地区での存在感は圧倒的で他校の追随を許さなかったが、近年は急速に下降気味。受験者は男女合わせても300名を大きく割り込むまでになってしまった。(2020年度254名。参考までに、福岡地区の上位校である西南学院や大濠の志願者数は増加傾向にあり、最近は1000名以上である。)親・子・孫・と何代にもわたって明治学園出身といった家庭も多かったのだが・・・。中学進学時の他校への脱出組の数が増加傾向なのも気にかかる。せっかく合格したのに入学して1、2年で転校する生徒もかなりいる。また、留年も多数発生しているので、ギリギリ合格組はよく考えて進学すること。
 とはいえ、北九州地区でのネームバリューはまだまだ大きく、地元学習塾は同校の合格者数を競うことでその地位を確立している。
 近年、良くも悪くも医学部予備校化している。将来医療系に進学したい私立中受験生は、同校を第一志望にすべきである。一方、医学部以外の理系学部や文系志望の人には、はっきりいってお勧めできない。
 最近新校舎が完成し、その評判はまずまずである。学食の人気は低い。


入試情報◆
  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)、合計300点満点の学力テスト⇒2023年度から、社会or理科のいずれかを英語にかえて受験可能。
  • 社会と理科の間でいったん昼食時間となる。(つまり、理科の復習教材を持参しておけば最終チェックが可能)
  • 男女各々80名程度の募集(明治学園小からの内部進学を除く)
  • 入試成績による特待制度はない。※特待制度導入されました!


攻略ポイント◆
 10数年前までは北九州地区で最上位に位置し、久留米附設やラ・サールといった九州最難関校を蹴って同校へ進学する生徒もいたが、最近は中堅校グループに完全に飲み込まれた。(むしろ下位グループと言って差し支えない。)
 問題の難易度は割と高い。基本から応用までバランスよく出題される。一部、難問題も見受けられる。
 その年度にもよるが、6割正解すれば確実に合格できる。正解率5割未満だと厳しいというのがこれまでの筆者の認識であったが、最近の合格最低ラインはもう少し低いようだ。ここ数年は、受験者数・入学者数の減少もあり得点率45%前後で合格できている。(2017年度:合格最低点115点/300点、得点率38.3%。2018年度:合格最低点143点/300点、得点率47.7%。2019年度速報値:135点/300点、得点率45%。ここ数年は合格最低点を公表しなくなってしまった。)基本問題で確実に得点すれば、難問に対してはある程度割り切っても合格できる。
 以前は、予行演習を兼ねて福岡地区の上位校(西南学院中や福岡大学附属大濠中など)を併願する受験生も多かったが、今はそこまでしなくても良いだろう。

【国語】
 私立下位~中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。福岡地区の西南学院中、福大大濠中、北九州地区の西南女学院中、照曜館中の過去問も合わせて学習すると効果的。配点が大きいので国語が得意だと有利。

【算数】
 私立中堅~上位校レベルの学習が必要。おそらく多くの受験生が算数で苦しむ。算数がどうしても苦手な人は、無理に6割の正解率を狙わず、4割狙い程度に抑えて、他の3教科で穴埋めするのも有り。過去問の大問1だけはしっかり学習して、被害を最小限に抑えること。

【社会】
 私立下位~中堅レベルの学習が必要。難しい問題も数問あるが、しっかり学習していれば高得点は可能。暗記事項は夏休みまでに片を付けておきたいところ。時事問題も一応おさえておきたい。

【理科】
 私立下位~中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。他地区の中堅~上位校の過去問演習もどんどんやるべし。難しい問題も出題されるが、理科の配点は小さいので、ある程度の割り切りは必要。

【英語】
 社会もしくは理科が不得手な受験生は英語を選択することも検討すべし。難易度としては難しくはないが易しくもない。同校サイトに受験教科についての動画がアップされる予定なので、必ず参照のこと。

【願書】
 学校に直接請求できるが、学校説明会や、進学塾主催の入試説明会などでも入手可能。願書提出時にどこの塾生であるかのアンケートが取られるが、塾に通っていなくても合否に影響しないので気にしなくて良い。※インターネット出願になりました!


4教科共通の推薦テキスト】⇒テキスト特別キャンペーン中!

・中学入試 新小学問題集(塾専用教材)
明治学園中で確実に合格を目指す受験生に最適。各教科ステージ1~ステージ3までの3冊ある。ステージ1は4年生ぐらいから使用可能なので、早めにスタートして他の受験生に差をつけて欲しい。残念ながら一般の書店では入手できない。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入できます。

・新小学問題集「受験の攻略」(塾専用教材)
最小限の労力で合格を勝ち取るならばコレ。各教科1冊にまとめられているので、残り数か月からの逆転も不可能ではない。あきらめるのはまだ早い。1位だろうとギリギリだろうと、合格は合格である。あとは入学してからいくらでも巻き返せばよい。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入できます。 

・四科のまとめ(四谷大塚)
中学受験のバイブル的教材。基本が非常にバランスよくまとめられている。夏ごろまでをめどに一通り身につけておくのが理想。
 なお、四谷大塚には「予習シリーズ」という超有名テキストがある。久留米附設などの難関校を目指すのであれば、四谷大塚の予習シリーズはすらすらとけるようでなければならない。一方、北九州地区の中学校程度であれば予習シリーズはオーバーワーク。
⇒四谷大塚の教材販売サイト
※購入には会員登録が必要なようです。また、在庫がなくなった時点でその商品は発売停止になり、翌年度分が発売されるまで待たないといけなくなります。人気教材は早めに購入しておくことをお勧めします。

・メモリーチェック・ベストチェックシリーズ(日能研)
基本レベルのまとめに最適。四科のまとめと並んで、非常に人気が高い。特に社会は秀逸。
⇒メモリーチェック購入






模擬試験◆
北九州地区では、首都圏で行われるようないわゆる「三大模試」に当たるものが存在しない。したがって、地元大手進学塾や家庭教師センターの模試を外部受験するのが最も手っ取り早い。

~進学塾で行われる模試の種類(例)~

・学力診断テスト・・・学校での学習到達度が判断できるレベル。合否判定には向かない。無料もしくは1000円程度で気軽に受験できる。

・志望校合格判定テスト(公開テスト)・・・基本問題から応用問題までちりばめられているので、ハードルの低い中学から難関中学まで幅広い判定が可能。3000円~5000円程度。

・○○オープン…大手進学塾主催の公開テスト。難関中と国私立中の2タイプをから選べる。

・〇〇中学模擬試験・・・特定の中学に特化した模試。秋から冬にかけて行われることが多い。新聞折り込みやホームページをまめにチェックしておきたい。3000円~5000円程度。

・小学ハイレベルテスト
国私立中学入試模試が名称変更し、すべての受験回で判定が出るようになった。中規模の全国模試だが、ほどほどの難易度のため北九州地区の合否判定にちょうど良い。第4志望まで判定できる。成績票のコメントがやや辛口だが、成績が上昇すると気持ちがいいほど褒めてくれる。


当日の保護者の流れ◆
 路線バスを利用する保護者もしくは自家用車で送迎する保護者が多い。自家用車を利用する場合、同校の駐車場は使えないので、近隣のコイン駐車場を利用するか、少なくとも少し離れたところで乗降すること。学校側の要望を無視してむりやり正門前で乗り降りする受験生をたまに見かけるが、絶対にやめておいた方が良い※同校敷地内での乗降ができるようになりました!
 入試時間中は保護者控室で待機することも一応可能。
 終了時には、学校周辺で学習塾関係者が解答速報を配布している。自己採点に有用。
 

入学後の学校生活◆
  • 男女交際の禁止など、厳しい校風。そもそも中3までは男女別クラス。修学旅行も男女別行動である。
  • 体育祭などの学校行事では、保護者は正装とまではいわないが、きちんとした服装をしていないと浮く。
  • あいさつは「ごきげんよう」
  • 中・高の保護者満足度が低いのが気になるが、同小学校の保護者満足度は素晴らしい。小学校受験においては今なお北九州地区の最上位である。










受験攻略 西南女学院中


◆概略◆
  • 私立(ミッション系)学校法人西南女学院
  • 女子校
  • 中高一貫校であり、併設の西南女学院大学、同短期大学部への進学も容易。(北陵に大学、短期大学、附属シオン山幼稚園、南陵に中学校、高等学校を持つ総合学園)
  • 全国の有名大学の指定校推薦枠を多数もっており、隠れ穴場的存在。
  • 英語教育に主眼を置いている。
  • 福岡市の西南学院は姉妹校であり、西南学院大への入学枠も多数ある。(経営資本は別。)両校の深い縁は設立時にまでさかのぼる。西南学院創設者のC.K.ドージャー氏をはじめ多くの関係者が西南女学院「西南の森」に永眠している。

◆人気度◆
 一時期、伝統校としての人気に胡坐をかいていたため、人気度が著しく低下したが、ここ十数年の学校改革の取り組みによって、お嬢様学校の落ち着きを徐々に取り戻しつつある。(生活態度に問題があった場合は停学・退学処分などの厳しい措置も行われているようだ)。
 首都圏での中学受験の過熱ぶりやその難易度を鑑みると、はっきり言って超穴場。無理をして難関中・高に入学して必死についていくよりも、同校で上位をキープしたほうがかえって学力が付く上に、指定校推薦を利用して難関大学合格を勝ち取ることもできる。首都圏の難関私大が急激に狭き門になる中、同校の人気度はさらに上昇することが予想される。
 ただし、成績下位グループの生徒の中には、まだまだ学習意欲の低い層も紛れ込んでいる。楽なほうに流されやすい人は、同校のメリットを全く享受できない。

 同校の特色の一つに、良質の英語教育があげられる。今の小学生たちはセンター試験廃止後の技能型入試(GTECやTEAPなど)に対応できる力が求められるので(もちろん、対応しなくても大学受験はできるが、対応できた方が圧倒的に有利)、旧態依然とした公立上位高や入学時偏差値だけ高い中高一貫校には真似のできない魅力がある。(実際に、成績下位層でも4技能型新試験になった英検にバンバン合格しているほか、英語学習未経験者を2年後には高円宮杯全日本中学校英語弁論大会の全国大会に進出させてしまうだけの指導力がある。)
 一方、理数系の授業はやや物足りない印象。国公立大理系学部であれば十分対応できるが、医学部医学科を目指す生徒は通塾がマスト。

 学校説明会などでは、数年前まではラフな服装の親子も少なくなかったが、ここ数年はきちんとした身なりの参加者が増えてきている。また、入試問題の難易度が変化していない中で、受験者平均点が目に見えて上昇している。このようなことからも、受験層の変化がはっきりと見て取れる。受験者数もここ数年増加し続けている。アンテナ感度の高い層は他校の合格を蹴って同校を選び始めているようだ。
(余談であるが、オープンスクール参加者は当然合格を目指しているのだろうが、ごく一部見かける、スカート短め親子や若干派手目のお召し物家族は、有形無形の形で受験がすでに始まっているとは考えないのだろうか?)

 同校受験を視野に入れている来年度以降の受験生は、オープンスクールや学校説明会に積極的に参加してほしい。(もちろん、服装や立ち居振る舞いに十分留意を)


 なお、学校改革の詳細は、「これからの時代を生き抜く学力を育てる」(学事出版)を参考にしてほしい。

 

入試情報◆
  • 次の2方式からどちらか1つを選んで出願する。
  1. 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)、合計300点満点の4教科学力テスト→70名程度の募集
  2. 国語(100点)、算数(100点)、英語(50点)、合計250点満点の3教科学力テスト→10名程度の募集
  • 入試成績による特待制度(S・A・B)がある。ちなみに、最上位のS特待を勝ち取るには、8~9割の得点が必要(筆者予想)
  • 首都圏では中学入試での英語受験が当たり前になったが、北九州地区では同校がいち早く英語受験を取り入れた。
※平成27年度より、前期(1月)・後期(2月)制に変更になりました。特待生は、前期合格者からのみ選出。また、後期日程では3教科型は実施されない。

攻略ポイント◆
 競争率は決して高くないが、地元唯一のお嬢様学校として根強い人気がある。残念ながら、10年以上前のイメージのままで簡単に合格できると誤解している保護者も多い。しかし同校では、一定の得点に到達していない受験生に対しては容赦なく足切りをおこなっており、甘く見ると痛い目に合う。合格ラインも年々上昇しており、3~4割の得点率で合格できる時代は完全に過去のものとなった。過去問で正答率が5割を切るようだと赤信号。(2019速報:合格最低点 4教科型141点/300、3教科型139点/250)

 「人気度」の項で述べたように、近年、受験者数は増加傾向にある。中学入試においてはまだまだ合格しやすい偏差値だが、高校入試で合格するのはすでに難しくなりつつある。(高校入試での特進クラスボーダーはおそらく得点率7割以上)
 
 10月に同校主催で入試対策講座(無料)が行われているので、必ず参加して傾向をつかむべし。



【国語】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。福教大附属中、九州国際大学付属中の過去問も合わせて行うとよい。

 西南女学院の国語の特徴として、文章のボリュームが大きいことが挙げられる。文章自体は読みやすいのだが、長いため、準備不足の生徒は時間が足りなくなる。また、単純に抜き出す問題のほかに、自分で考えて答える読解問題もいくつか出題されるので、よく練習しておく必要がある。

 入試まで時間がある場合は、四谷大塚の「予習シリーズ」の4年上~5年下で基礎力を付けてから本格的な学習に入ってはどうだろうか。
 また、入学後の授業まで考えて学習するのであれば、「ふくしま式」問題集をやっておいて損はない。(やり方はこちらを参照のこと)


【算数】
 私立中堅レベルの学習が必要。結構難しい。平均点は6割程度と予想される。 受験者層の変化とともに平均点も上昇し7割を超える。後半の大問はなかなか得点しづらいので、前半の基本問題で確実に点を積み重ねる必要がある。単位換算や、小数の計算などでのうっかりミスが合格を遠ざける。
 なお、多くの問題で「答え」だけでなく「計算式や解き方、考え方」も採点対象となるので注意。

 塾に通わずに、自宅学習で突破を図る場合は、下剋上算数シリーズもおすすめ。基礎編のみでも対応できる。

 余裕があれば、福岡雙葉中などの福岡市内の女子校過去問も取り組む価値がある。(たとえば、2015年雙葉大問5と2009年西南女大問5はソックリ)

※2016年度は予想通り虫食い計算(計算途中の穴埋め)が復活するなど、2015年度と比べてやや難化した。2017年度は2016年度とほぼ同等。2018年度以降しばらく同程度の出題が続くと予想される。


【社会】
 私立中堅レベルの学習が必要。漢字で書くべき語句をひらがなで解答した場合は減点対象。

 問われている内容はオーソドックスだが、記述問題が多いので、暗記だけでは厳しい。地理分野の出題割合が非常に多い。雨温図は頻出。歴史分野も幅広く出題される。歴史時代区分は必出。公民分野はほとんど問われないが、受験年度の時事問題(10月頃までの出来事)は必出。

 旺文社の「でる順」シリーズなどで、夏休み前半までには暗記事項を片付けて、夏休み後半から秋以降は記述問題や実践問題の演習に入りたいところ。
 また、ミッション校であることを考慮して、キリスト教関係の出来事は念入りに学習しておきたい。(2019年では世界遺産に登録された潜伏キリシタン関連遺産について出題)

 なお、時事問題の出題テーマは、サミットやオリンピックなどのある程度予想できる範囲であるが、設問内容はかなり難しいので、秋ごろに出版される時事問題のまとめ本は必ず一通り目を通しておいたほうが良い。(例えば、2017年度入試では、1940年に予定されていた東京オリンピックが実際には開催されなかった理由を記述させる問題が出題されている。)


【理科】
 私立中堅レベルの学習が必要。漢字で書くべき語句をひらがなで解答した場合は減点対象。大問4題(物理・化学・生物・地学、各1題)。

 社会同様記述問題が多い。減点されにくい答案の書き方を練習しておきたい。(説明させる問題での「主語抜け」や「てにをは」の間違いは避けるべし)。高得点を狙いたい場合は、10月頃に行われる同校主催の対策授業を必ず受講すること。

 四谷大塚の「四科のまとめ」や日能研の「メモリーチェック」で不得意分野をカバーしておきたい。



【英語】
 英検4級レベルの学習が必要。旺文社の英検用テキストでしっかり準備しておきたい。入試まで時間の余裕がある場合は、英検5級からじっくり取り組むのもアリ。リスニングもかなり出題されるのでCD付の英検用教材で練習しておくこと。メモを取りながらの練習も大切。

 なお、全問選択式の解答なので、記述問題の練習は不要。(つまり、単語の書き取り練習などは必要ない)
 英語受験者には日本語での面接も行われる。オーソドックスな内容なので大がかりな対策はしなくてもよいが、基本的な受け答えは練習しておいた方が無難だろう。

 ちなみに・・・英語受験合格者の平均点はかなり高い(8~9割程度)と思われる。4教科型入試の合格者平均は7割程度と予想されるので、4教科型入試と英語型入試で迷っている場合は、4教科型の方をお勧めする。


4教科共通の推薦テキスト】⇒テキスト特別キャンペーン中!

・中学入試 新小学問題集(塾専用教材)
西南女学院中で特待生合格を目指す受験生に最適。各教科ステージ1~ステージ3までの3冊ある。ステージ1は4年生ぐらいから使用可能なので、早めにスタートして他の受験生に差をつけて欲しい。残念ながら一般の書店では入手できない。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入してください。

・新小学問題集「受験の攻略」(塾専用教材)
最小限の労力で合格を勝ち取るならばコレ。各教科1冊にまとめられているので、残り数か月からの逆転も不可能ではない。あきらめるのはまだ早い。1位だろうとギリギリだろうと、合格は合格である。あとは入学してからいくらでも巻き返せばよい。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入してください。 

・四科のまとめ(四谷大塚)
中学受験のバイブル的教材。基本が非常にバランスよくまとめられている。夏ごろまでをめどに一通り身につけておくのが理想。
 なお、四谷大塚には「予習シリーズ」という超有名テキストがある。久留米附設などの難関校を目指すのであれば、四谷大塚の予習シリーズはすらすらとけるようでなければならない。一方、北九州地区の中学校程度であれば予習シリーズはオーバーワーク。
⇒四谷大塚の教材販売サイト
※購入には会員登録が必要なようです。また、在庫がなくなった時点でその商品は発売停止になり、翌年度分が発売されるまで待たないといけなくなります。人気教材は早めに購入しておくことをお勧めします。

・メモリーチェック・ベストチェックシリーズ(日能研)
基本レベルのまとめに最適。四科のまとめと並んで、非常に人気が高い。特に社会は秀逸。
⇒メモリーチェック購入



【願書】
 学校に直接請求できるが、学校説明会や、進学塾主催の入試説明会などでも入手可能。頻繁に学校説明会やオープンスクールを行っている。






模擬試験◆
北九州地区では、首都圏で行われるようないわゆる「三大模試」に当たるものが存在しない。したがって、私立中主催の模試や外部模試を上手に利用してほしい。なお、大手進学塾の模試はテスト後のしつこい勧誘がないところを上手に選んでください。

国・私立中学入試模擬試験
中規模の全国模試だが、ほどほどの難易度のため北九州地区の合否判定にちょうど良い。第4志望まで判定できる。(4~7月は成績票に合否判定が付かないが、8月以降の成績票で累積判定として反映されるのでなるべく年間を通して受験したほうがよい。)成績票のコメントがやや辛口だが、成績が上昇すると気持ちがいいほど褒めてくれる。

雙葉チャレンジテスト会
福岡雙葉中主催の模試。福岡地区の学校なので遠いのが難点だが、問題難易度が同程度であるため、西南女学院中を第一志望とするのであれば、参加する価値はある。無料。

敬愛模試
毎年10月頃に実施される敬愛中学主催の模試(国算2教科)。無料で参加できる。易しめであり、この模試での出来が芳しくないようだと、西南女学院中の合格は黄色信号。

小倉日新館中学招待模試
毎年10月頃に実施される小倉日新館中主催の模試。無料で参加できる(成績表の郵送を希望する場合は切手代実費)。

◆入試対策授業◆
西南女学院中学入試対策講座
西南女学院中では、秋に対策授業を行っている。同校に合格したいのであれば、塾を休んででも絶対に参加しておいたほうが良い。無料。
なお、当日配布されたプリント類は、受験本番までにしっかり学習しておくこと。


◆入試当日の保護者の流れ◆
 自家用車で送迎する保護者が多い。臨時駐車場および保護者控室(談話室のほか図書室も開放している)が用意されており、ほとんどの保護者が入試終了まで待っている。
 控室にも入試問題が掲示される。


入学後の様子◆

学習編
  • 英語教育(いわゆる受験英語ではなく、卒業後に使える英語)に力を入れており、外国人講師による授業やAPU(立命館アジア太平洋大学)での研修、希望者向けの海外語学研修など、語学プログラムが充実している。センター試験廃止後の4技能(読、書、聴、話)型入試を見据えた場合、現時点では北九州地区で最も良い環境にあるといえる。(もっとも、同校の英語成績上位者はほとんどが小学生の早い時期から英語を学習しており、その成果が出ているだけだという見方もできなくはない)。
  • 高校進学時のクラス編成で特進コースと進学コースに分かれる。国公立大や難関私立大を目指す場合は特進クラスを目指したいところである。なお、4年生(高1)で進学コースになっても、頑張れば5年(高2)進学時に特進コースへの変更は一応可能。
  • 私大の指定校枠は非常に充実しているが、当然、評定平均値など厳しい条件をクリアする必要があるので、同校に合格したからといって浮かれていると、後悔することになる。中間テスト、期末テスト、課題提出などにしっかり取り組んで、評定値(通知表の点数)を勝ち取ってほしい。同校に進学することの恩恵は、ひたすら上位に食い込むことによって、大いに得られるのである。
  • やや意外だが、リケジョも割と多い。基本、標準レベルの内容をしつこく学習できる環境が、私立大医療系学部や理工系学部への進学とマッチしているのだろう。
  • 英単語テストや識字(漢字)テストなどの小テストがかなり頻繁に実施されている。不合格になると補習が待ち受けており、このことに関する保護者からの評判は割と良い。つまり、生徒からの評判は悪い。夏休みや冬休みにも容赦なく補習があるので、結局最初からまじめに取り組んだほうが良い。

生活編
  • 文化祭と体育祭は隔年で交互に行う。借り物競争やパン食い競争など女子校らしくお祭り感満載で楽しい。
  • 出席番号がアルファベット順なので、新鮮。ただし、AやWで始まる人は変化を実感できない。
  • 誰かが讃美歌を口ずさむと、ついハモってしまう。しばしばクラス中の大合唱になる。
  • 毎日、スコラライトという手帳で学習管理をする。が、数か月溜めてしまい提出期限前に地獄を味わう人も。成績上位者の手帳は、やはり素晴らしい。
  • 学食メニューがとにかく美味しい。(大盛ランチがすぐに売り切れる)
  • 南陵のロウ記念講堂や北陵のマロリーホールなどの歴史ある建物がいまでも大切に使われている。卒業生にとって美しい思い出の場所である。

大学受験実績編
  • 難関有名私大の合格率はさすがである。しかも指定校推薦枠が余っているというナントも贅沢な状況。少子化にもかかわらず同校の受験者数・入学者数は年々増加傾向にあるが、まだまだ当分は余裕をもって支えられそうである。
  • 国公立大合格者数はあまり多くないが、これは単に国公立大進学希望者が少ないためである。もちろん国公立大志望者へのサポートは少人数な分手厚く、その合格先は医学部医学科、旧帝大、東京外大、東京藝大など多岐にわたる。
  • 難関大学以外では、外国語・国際系、医療系、芸術・音楽系の進学は非常に強い。
  • 筆者はこれまで、「同校のカリキュラムは理系に弱く、国立大医学部医学科には向いていない」と述べてきたが、きっちりと合格者を出してきたため撤回する。

受験攻略 九州国際大学付属中


◆概略◆
 ・私立(学校法人九州国際大学)
 ・男女共学
 ・高校進学時に他校への受験が可能


◆人気度◆
 近年、福岡県内で最も受験者数を伸ばした学校の一つ。受験当日は受験者の多さに渋滞が発生するほどであったが、ここ数年ようやく落ち着いてきた。同中学の3年生は、同付属高への進学権利をキープしたまま、小倉高や東筑高などの公立上位校受験が可能なため、精神的に優位な立場で高校入試に臨むことができる。


◆入試情報◆
・国語(100点)算数(100点)社会(50点)理科(50点)英語(20点)合計320点満点の学力テスト
・成績上位者に対する特待制度あり(特奨生)

※2021年度より英語導入決定!

◆攻略ポイント◆
 問題の難易度自体はさほど高くないが、受験生数が多い分1点を争う戦いになる。基本をきっちりと学習していれば成績下位者からも合格できている。反面、ミスが多い受験生は成績中位者でも届かない。最低でも6割程度の得点は確保しておきたい。

【国語】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。記述問題ががっつり出るので、西南女学院中など記述が多めの他校の過去問も活用してほしい。国語が苦手な生徒は、新小学問題集中学入試編のステージ1からみっちりやるとよい。新小問が入手できない場合は、四谷大塚の予習シリーズの4~5年生のテキストや演習問題集でも可。極端に国語が苦手な場合は、福島式シリーズや水王舎の「論理エンジン」シリーズで読解力の基本を学んでから、本格的な受験勉強に入ってはどうか。
 大問1、2では読解問題の他に漢字の出題も必ずある。漢字検定などを上手に利用して小学校で習う漢字はまんべんなく学習しておいてほしい。10級から一つ一つクリアして5級くらいまで取得しておけば、同校の漢字は問題なく解けるはずである。同校の国語科教師陣は、漢字検定5級で8割程度の得点ができることを一つの目安としているようである。
 大問3の知識問題では、音読み訓読みの判別が良く出題される。これも低学年の頃から漢字検定に取り組んでおけばさほど難しくないだろう。慣用句や四字熟語も毎年のように出題される。新小学問題集「受験の攻略」の巻末付録によく出題されるものをまとめてあるので、単語カードを使って早めに覚えてしまおう。

【算数】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。20年分くらいはやってほしい。福岡教育大附属中や近隣私立中の過去問も合わせて学習すると効果的。
 ここ数年、大問1の割合が大変多い。(2020年度は13問)ここで落としてしまうと合格が一気に遠のく。下剋上算数基礎編を何周もやるなどしてしっかり備えてほしい。計算問題の精度が低い人は、計算完成300日などのドリルに毎日欠かさず取り組むと良いだろう。
 大問2以降は、速さ、図形、規則性の出題が押し寄せてくる。中にはやや難しい問題もあるが、全体で最低でも6割はとれるようにしておかないと苦しくなる。九国プレの問題もあわせてしっかり対策しておくこと。

【英語】
 2021年度(令和3年1月)より英語が必須となった。午前の部最後に英語(リスニングテストと筆記テスト)が実施される。スピーキングテストは行われない。
 試験の内訳はリスニングテスト10分、筆記テスト10分である。難易度としては、小学校の授業に毛が生えた程度のものであり、易しい。英検5級以上の問題は出題されない。ほとんどの受験生が8割以上得点することが予想される。もっとも、英語で失点してしまうと大きな差をつけられてしまうので、注意が必要である。
 0~20の数字、曜日、季節、1月~12月、色、食べ物、生き物、人物、日常生活にかかわる語 を学習しておくこと。⇒詳細

【社会】
 満点狙いで行くべし。地理や時事問題の過去問は参考程度にとどめること(社会科データは毎年変化するため)。正答率の低い単元はメモリーチェックなどでしっかり補っておきたい。地名や歴史上の出来事、人物名など漢字で正確に書けるようにしておくこと。国会の仕組みなど公民問題も出題されるので、小学校で習う前に夏休みなどを利用して学習しておく必要がある。
 入試本番では、昼食後に社会が行われるので、昼休み中に最終チェックができるように各自「虎の巻」を用意しておくべし。

【理科】
 過去問学習必須。地学、生物学、化学、物理学からまんべんなく出題される。過去問20年分くらいを分野別に分類して対策するのも効果的。いずれにせよ苦手分野をつくらないようにしたい。
 少しでも学習の負担を減らすには、入試説明会に必ず参加して、出題のヒントをメモしておくこと。

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・中学入試編 新小学問題集(塾専用教材)
上位合格を目指す受験生に最適。各教科ステージ1~ステージ3までの3冊ある。ステージ1は4年生ぐらいから使用可能なので、早めにスタートして他の受験生に差をつけて欲しい。残念ながら一般の書店では入手できない。
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・新小学問題集「受験の攻略」(塾専用教材)
最小限の労力で合格を勝ち取るならばコレ。各教科1冊にまとめられているので、残り数か月からの逆転も不可能ではない。あきらめるのはまだ早い。1位だろうとギリギリだろうと、合格は合格である。あとは入学してからいくらでも巻き返せばよい。
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・四科のまとめ(四谷大塚)
中学受験のバイブル的教材。基本が非常にバランスよくまとめられている。夏ごろまでをめどに一通り身につけておくのが理想。
 なお、四谷大塚には「予習シリーズ」という超有名テキストがある。久留米附設などの難関校を目指すのであれば、四谷大塚の予習シリーズはすらすらとけるようでなければならない。一方、北九州地区の中学校程度であれば予習シリーズはオーバーワーク。
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※購入には会員登録が必要なようです。また、在庫がなくなった時点でその商品は発売停止になり、翌年度分が発売されるまで待たないといけなくなります。人気教材は早めに購入しておくことをお勧めします。

・メモリーチェック・ベストチェックシリーズ(日能研)
基本レベルのまとめに最適。四科のまとめと並んで、非常に人気が高い。特に社会は秀逸。
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◆模擬試験◆
 九州国際大学付属中では、九国プレテストと称する模擬試験が無料で行われており、同校を目指す生徒は必ず受験するべきである。ただし、同テストは年1回のみなので、通常は進学塾主催の公開テストで学習の進捗度をはかるしかない。(北九州地区では、首都圏で行われるようないわゆる「三大模試」に当たるものが存在しない。したがって、地元大手進学塾や家庭教師センターの模試を外部受験するのが最も手っ取り早い。)他の私立中主催の模試も有用。

敬愛模試
毎年10月頃に実施される敬愛中学主催の模試(国算2教科)。無料で参加できる。易しめであり、この模試での出来が芳しくないようだと、九国付中の合格は黄色信号。

小倉日新館中学招待模試
毎年10月頃に実施される小倉日新館中主催の模試。無料で参加できる(成績表の郵送を希望する場合は切手代実費)。九国プレテストと日程が重なり、参加できない場合もある。

国・私立中学入試模擬試験
中規模の全国模試だが、ほどほどの難易度のため北九州地区の合否判定にちょうど良い。第4志望まで判定できる。(4~7月は成績票に合否判定が付かないが、8月以降の成績票で累積判定として反映されるのでなるべく年間を通して受験したほうがよい。)成績票のコメントがやや辛口だが、成績が上昇すると気持ちがいいほど褒めてくれる。


◆入試当日の保護者の流れ◆
 
 同校は受験者数が多いので、自家用車での送迎はお勧めしない。JR枝光駅からスタッフの誘導に従うのが最もスムーズ。どうしても送迎をする場合は、渋滞を考慮して早めに行動すること。集合時間に間に合わなったらシャレにならない。試験は昼食・休憩をはさんで14時半頃までかかるので、近隣のショッピングモールで買い物する保護者もちらほら。



◆入学後の様子◆
 

  • 中高併設校ではあるが、先取り教育は行わない。したがって、公立高など他校への受験がしやすい。学校側もそれを是としている。
  • 高校進学時に成績別にクラス分けされる。同高校は一学年に13~15クラスあり、上位クラスと下位クラスで卒業後の進路も大きく異なるため、合格後もしっかり勉強に励んだ方が良い。ちなみに高校でのコースは、難関、S特進、特進、進学、アスリートの5コースある。難関クラスやS特進クラスの生徒に対する学習サポートはかなり手厚いが、部活動はほぼ無理。特進以下のクラスの学習サポートに関してはノーコメント。
  • 小倉、東筑などの県立トップ校や付属高の難関、S特進コースへ合格できるのは付属中上位30名程度が目安となる。同中学入学後は、学年順位30位以内を一つの目安として学習に励んでほしい。
  • 難関大学の指定校推薦枠はほとんど期待できないレベル。

 







受験攻略 敬愛中


◆概略◆
 ・私立(学校法人鎮西敬愛学園)
 ・男女共学
 ・浄土真宗本願寺派の宗門校


◆人気度◆
 北九州地区の私立中において、おそらく最も優秀な広報チームを抱えており、オープンスクールにおける保護者の満足度は群を抜いている。同校への進学の意思・関心の有無にかかわらず、いちどは募集行事に参加すべきである。


◆入試情報◆

一般入試

九大医進Jコース(4教科型)


  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)の4教科学力テスト(計300点)

特進コース(4教科型と適性検査型から1つを選択)

  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)の4教科学力テスト(計300点)
  • 適性検査(100点)、作文(100点)の2教科検査(計200点)

自己推薦入試(専願)

九大医進Jコース(4教科型)


  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)の4教科学力テスト(計300点)に加えて、親子面接

特進コース(4教科型と適性検査型から1つを選択)

  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)の4教科学力テスト(計300点)に加えて、親子面接
  • 適性検査(100点)、作文(100点)の2教科検査(計200点)に加えて、親子面接


※成績上位者に対する特待制度あり
※英語検定、漢字検定の合格者は取得級に応じて得点が加点されるので有利。

◆攻略ポイント◆
 九大医進Jクラスを目指す場合は、明治学園や照曜館プレミア、小倉日新館に合格できるレベルまで学習すべし(合格目安ライン240点)。特進クラスは北九州地区では最も入りやすい部類(合格目安ライン140点)。ただし、入試日程が1月上旬であるため、他校進学希望者も力試しに受験するケースが多く、結果的に競争率を押し上げる要因となっている。問題の難易度自体はさほど高くないが、甘く見てかかると痛い目に合う。


【国語】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。九州国際大付属中や小倉日新館中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習すると効果的。国語が苦手な生徒は、水王舎の「論理エンジン」シリーズで読解力の基本を学んでから、本格的な受験勉強に入ってはどうか。
 また、小学校で学習する漢字や語句はきっちりと身に着けておくこと。合格者の大半は、漢字検定5級程度は持っている。(漢検6級以上取得者は、級に応じて得点の加算があるので、積極的に受験すべし)


【算数】
 私立基本レベルの学習が必要。過去問学習必須。福岡教育大附属中や梅光学園中(下関)の過去問も合わせて学習すると効果的。
 学校の教科書レベルの学習では合格に届かない。
 前半の小問集で取りこぼしがある人は、下剋上算数シリーズの基礎編などで徹底的に土台を固めるのも手。

【社会】
 基本問題中心だが、意外と難しい。過去問をに取り組んだ際、正答率の低い単元はメモリーチェックなどでしっかり補っておきたい。


【理科】
 基本問題中心だが、意外と難しい。過去問学習必須。もし余裕があれば、四谷大塚の週テスト問題集も取り組む価値がある。b問題まで。


【英語】
 同校には英語受験の仕組みはないが、英語検定合格者には取得級に応じて得点の加算があるので、圧倒的に有利である。(願書に合格証のコピーを添付するだけでよい)
 英会話スクールや塾などの経験がなくても、英検5級程度ならば初学の小学生でも十分に合格可能である。書店でテキストを入手する場合は、旺文社の英検用教本シリーズが良いだろう。


【適性検査・作文】
 2021年度より、4教科型の代わりに適性検査型の受験も選べるようになった。これにより、門司学園や宗像中、育徳館などの県立中を目指す受験生が併願可能になった。対策は、県立中と同じでよい。


【面接】
 自己推薦融資(専願)の場合、親子面接が実施される。学習塾に通っている人は担当講師に対策をお願いしてみるべし。たいていの進学塾でノウハウを持っている。個人で受験対策をしている場合はそういうわけにいかないので、DVD教材などを活用して万全の態勢で臨んでほしい。



【願書】
 同校のオープンスクールや説明会にて入手できる。一般的な書式であり、特に留め置くべき箇所はない。


4教科共通の推薦テキスト】⇒テキスト特別キャンペーン中!

・中学入試 新小学問題集(塾専用教材)
敬愛中で九大医進Jクラス合格を目指す受験生に最適。各教科ステージ1~ステージ3までの3冊ある。ステージ1は4年生ぐらいから使用可能なので、早めにスタートして他の受験生に差をつけて欲しい。残念ながら一般の書店では入手できない。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入できます。

・新小学問題集「受験の攻略」(塾専用教材)
最小限の労力で合格を勝ち取るならばコレ。各教科1冊にまとめられているので、残り数か月からの逆転も不可能ではない。あきらめるのはまだ早い。1位だろうとギリギリだろうと、合格は合格である。あとは入学してからいくらでも巻き返せばよい。
⇒KKC受講生、WEB会員の方はこちらから購入できます。 

・四科のまとめ(四谷大塚)
中学受験のバイブル的教材。基本が非常にバランスよくまとめられている。夏ごろまでをめどに一通り身につけておくのが理想。
 なお、四谷大塚には「予習シリーズ」という超有名テキストがある。久留米附設などの難関校を目指すのであれば、四谷大塚の予習シリーズはすらすらとけるようでなければならない。一方、北九州地区の中学校程度であれば予習シリーズはオーバーワーク。
⇒四谷大塚の教材販売サイト
※購入には会員登録が必要なようです。また、在庫がなくなった時点でその商品は発売停止になり、翌年度分が発売されるまで待たないといけなくなります。人気教材は早めに購入しておくことをお勧めします。

・メモリーチェック・ベストチェックシリーズ(日能研)
基本レベルのまとめに最適。四科のまとめと並んで、非常に人気が高い。特に社会は秀逸。
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◆模擬試験◆
 敬愛中では、10月ごろに敬愛模試と称する模擬試験が無料で行われており、同校を目指す生徒は必ず受験するべきである。ただし、同テストは年1回のみなので、通常は進学塾主催の公開テストで学習の進捗度をはかるしかない。(北九州地区では、首都圏で行われるようないわゆる「三大模試」に当たるものが存在しない。したがって、地元大手進学塾や家庭教師センターの模試を外部受験するのが最も手っ取り早い。)

敬愛模試
毎年10月頃に実施される敬愛中学主催の模試(国算2教科)。無料で参加できる。易しめであり、この模試での出来が芳しくないようだと合格は黄色信号。

小倉日新館中学招待模試
毎年10月頃に実施される小倉日新館中主催の模試。無料で参加できる(成績表の郵送を希望する場合は切手代実費)。日程が重なり、参加できない場合もある。

国・私立中学入試模擬試験
中規模の全国模試だが、ほどほどの難易度のため北九州地区の合否判定にちょうど良い。第4志望まで判定できる。(4~7月は成績票に合否判定が付かないが、8月以降の成績票で累積判定として反映されるのでなるべく年間を通して受験したほうがよい。)成績票のコメントがやや辛口だが、成績が上昇すると気持ちがいいほど褒めてくれる。


◆当日の保護者の流れ◆
 同校は受験者はかなり多いものの、大手学習塾の生徒はバスの送迎でやってくるため、渋滞はそれほど深刻ではない。送迎を終えた保護者は、ほとんど帰宅しているようである。

入学後の様子◆
  • 中学入学時のクラス分けは、九大医進Jと特進の2種類だけであるが、高校進学時には、九大医進・特進S・特進・進学と細かくコースが分かれる。コースによって進路もまったく様子が違うので、入学後の過ごし方次第で将来が大きく変わる。
  • 大学入試における指定校推薦制度などは充実しているとは言えない。
  • 成績上位層に対しては指導が手厚いので、難関校の中位~下位にいるよりも同校で上位をキープしたほうが大学受験はかえって有利である。ここ数年、国立大医学科や早慶クラスの合格者も安定して出せるようになってきた。年度によっては東大合格者も出している。
  • 高校進学後、上位クラス向けに大手予備校と提携した講座を取り入れている。評判は悪くないが、別途費用が発生するため、特待生の経済的メリットは相殺されてしまうので注意。 


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鎮西敬愛学園
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受験攻略 照曜館中


◆概略◆
  • 私立(学校法人東筑紫学園
  • 男女共学
  • 中高一貫校であるが、名称は「照曜館中学校」⇒「東筑紫学園高等学校(照曜館コース)」と変化する。照曜館高校という名称は通称。

◆人気度◆
 2013年度より難関大学現役合格を目指す特待生のみの特別クラス「プレミアクラス」を設置し話題に。同年は附設合格生など何人もの有望な生徒の獲得にも成功しており、2019年の第一期卒業生の進路に注目していたが、さほどインパクトのある合格実績は出ておらずやや拍子抜け。来年度以降の挽回に期待。

 同校のスタッフは、「東大、京大、九大などの国公立難関大合格者を増やして北部九州でNo.1の私立を目指す!」のだと鼻息も荒い。
 しかし、照曜館の魅力は、実は、国公立大ではなく難関私立大の合格率の異常な高さにある。(同校教職員は気づいていなさそうであるが)。
 合格者数実績を見ても他校とさほど変わらないように思われるかもしれないが、同校の1学年あたりの人数の少なさ(少人数クラスが3~4クラスのみである)を考慮すると、(ミッション系女子校には劣るものの)早慶上理MARCH関関同立クラスの合格者数は異常値である。推測の域であるが、指定校推薦枠を相当数確保しているのではないだろうか?

 ともかく、進学校化を目指したいという意向は感じられる。カリキュラムのボリューム(質はともかく)も数年前と比べると明らかに多くなってきた。逆に、ほどほどののびのびとしたスクールライフを求める層には校風が合わなくなってきている。


◆入試情報◆
前期試験
  • 国語(100点)、算数(100点)、社会(50点)、理科(50点)の4教科学力テスト(計300点)
  • 募集定員80名(プレミア スーパー20名、プレミア エイム30名、スタンダード30名)
  • プレミアクラス合格者は特待生として各種優遇がある。

後期試験
  • 国語(100点)、算数(100点)の2教科学力テスト(計200点)
  • 募集定員20名(スタンダード20名)

前期試験では算数と社会の間に昼食時間が設けられる。したがって、社会と理科の最終チェック用の教材を持参すべし。

◆攻略ポイント◆
 北九州地区の中では、比較的難易度の高い問題を出題する部類に入る。しかしながら、必ずしも高得点を取らなくても、スタンダードクラスの合格は不可能ではない。難問・奇問に手が出なくとも、とるべき問題をしっかり正答する逞しさが欲しい。


【国語】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。明治学園中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習すると効果的。
 理科社会に比べて配点が大きいので、国語が弱い受験生は不利。読解力、文章力、漢字や語句を、受験用テキストを使ってしっかり学習してほしい。
 なお、国語の学習は我流で量だけこなしても、ある程度までしか力はつかない。特に、6年生になってから本格的に受験勉強を始めた後発組は、あせらずに基本から学習すべきである。読解力に自信がある生徒でも、いきなり6年生向け受験テキストから始めると撃沈することも。
 四谷大塚の予習シリーズで自学習する場合は、小4上~小5下のテキストと演習問題集をこなしてから、受験勉強に入るべき。
 国語が苦手な場合、予習シリーズの4年生用でもハードルが高いので水王舎の「論理エンジン」シリーズの小3あたりから丁寧にやった方が結果的には近道。
 漢字や語句は、漢字検定5級以上の力があれば問題ない。


【算数】
 私立中堅レベルの学習が必要。過去問学習必須。明治学園中や小倉日新館中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習すると効果的。
 出題傾向は、計算問題から図形、グラフ、規則性問題、文章題まで幅広い。問題量は標準的だが、計算力のない受験生は制限時間内に解き終わらない可能性がある。毎日の計算練習は不可欠。

 保護者の中には、我が子のケアレスミスの多さに悩む人も少なくない。塾や家庭教師センターで都麦出版「計算完成300日」が入手できる場合はぜひ取り組むことをお勧めする。(入手できない場合は、でる順計算などの市販のドリルで代用)毎日欠かさず取り組むこと。
 前半の小問集で取りこぼしがある人は、下剋上算数シリーズの基礎編などで徹底的に土台を固めるのもよいだろう。


【社会】
 どの分野もまんべんなく出題される。北九州市や福岡県にちなんだ問題が出題されることがあるので、小学校の教科書(4年生以降)も必ず一通り目を通しておくこと。同校の過去問を研究することはもちろんのこと、九州国際大学付属中などの近隣私立中の過去問も合わせて学習しておきたい。 
 暗記事項は、旺文社の「でる順」シリーズなどで夏休みまでには片を付けておきたい。正答率の低い単元は日能研「メモリーチェック」や四谷大塚「四科のまとめ」でしっかり補って欲しい。

 ※2016年度入試では、社会科がかなり難化した印象。来年度以降の受験生は、近隣中学だけでなく、福岡市内の私立中過去問もやっておいた方が良い。

 なお、社会科で知らないことやわからないことに行き当たったときは、旺文社の「わかる社会」や学研の「?に答える小学社会」などの辞書本で知識を増強すること。

 どうしても覚えられない単元は、カラーコピーを大きめの情報カードに貼って毎日しつこく復習するのもお勧めだ。(ある生徒のご家庭ではトイレの壁一面が情報カードで埋め尽くされていたが、偏差値26だったこの生徒は、同校や明治学園など受験校すべてに合格してしまった!)



【理科】
 割と難しい。過去問学習必須。九州国際大付属中や小倉日新館の過去問も練習になる。
 でる順」シリーズメモリーチェックは早めにマスターしておきたいが、理科が苦手な受験生や、6年生になってから受験勉強を始めた後発組は、先に国語と算数に取り組んで理科を後回しにする戦略も悪くない。理科の配点は50点と低いので、最後の追い込みで知識問題を詰め込んで帳尻を合わせることも可能だからだ。

 理科も社会同様、旺文社の「わかる理科」や定番の「スーパー理科事典」を使って、わからないことはすぐに調べるように。


4教科共通の推薦テキスト】⇒テキスト特別キャンペーン中!

・中学入試 新小学問題集(塾専用教材)
照曜館中で上位合格を目指す受験生に最適。各教科ステージ1~ステージ3までの3冊ある。ステージ1は4年生ぐらいから使用可能なので、早めにスタートして他の受験生に差をつけて欲しい。残念ながら一般の書店では入手できない。
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・新小学問題集「受験の攻略」(塾専用教材)
最小限の労力で合格を勝ち取るならばコレ。各教科1冊にまとめられているので、残り数か月からの逆転も不可能ではない。あきらめるのはまだ早い。1位だろうとギリギリだろうと、合格は合格である。あとは入学してからいくらでも巻き返せばよい。
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・四科のまとめ(四谷大塚)
中学受験のバイブル的教材。基本が非常にバランスよくまとめられている。夏ごろまでをめどに一通り身につけておくのが理想。
 なお、四谷大塚には「予習シリーズ」という超有名テキストがある。久留米附設などの難関校を目指すのであれば、四谷大塚の予習シリーズはすらすらとけるようでなければならない。一方、北九州地区の中学校程度であれば予習シリーズはオーバーワーク。
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【願書】
 願書は塾や家庭教師センターのほか、オープンスクールや学校説明会で入手可能。

 ちなみに・・・ココだけの話だが、照曜館中が第一志望の生徒は、ぜひオープンスクールの皆勤賞を目指そう。(理由は言えません、察してください。)


◆模擬試験◆
北九州地区では、首都圏で行われるようないわゆる「三大模試」に当たるものが存在しない。したがって、私立中主催の模試や外部模試を上手に利用してほしい。なお、大手進学塾の模試はテスト後のしつこい勧誘がないところを上手に選んでください。

 また、照曜館中主催の模試はないので、小倉日新館招待模試、九国プレ、敬愛模試などを活用してテスト馴れして欲しい。

小倉日新館中学招待模試
毎年10月頃に実施される同校主催の模試。無料で受けられるので、照曜館中を志望する受験生は練習もかねて受けておいたほうが良い。成績表の郵送を希望する場合は切手代実費。

国・私立中学入試模擬試験
中規模の全国模試だが、ほどほどの難易度のため北九州地区の合否判定にちょうど良い。第4志望まで判定できる。(4~7月は成績票に合否判定が付かないが、8月以降の成績票で累積判定として反映されるのでなるべく年間を通して受験したほうがよい。)成績票のコメントがやや辛口だが、成績が上昇すると気持ちがいいほど褒めてくれる。


◆当日の保護者の流れ◆
 試験が昼食をはさんで午後まで行われるため、自宅待機もしくは仕事に出勤する保護者が多いようである。
 自家用車で送迎する場合は、少し離れたところで降車して徒歩で校門まで向かった方がよい。試験当日は学校周辺のいたるところに誘導員が大量配置されているので安心である。


入学後の様子◆

学習編
  • プレミアクラスの授業はなかなかのボリューム感がある。一度出遅れてしまうと追いつくのが大変になるので、予習、復習や宿題など、手を抜かずに全力でやったほうがかえってラク。時間的な制約を考えると、自学が大前提であるが、どうしてもついていけずに塾や家庭教師を利用する場合は、社会人のプロのほうが良いだろう。学生のアルバイトでは対処できない。
  • 同校から医学部医学科への合格イメージはあまりなかったが、ここ数年ちらほらと出始めてきた。なお、私立大医学部専願の場合は、入試で英語・数学・生物・化学しか必要ない場合も多いので、無理にプレミアクラスを目指すのではなく、スタンダードクラスで4教科の基本問題、標準問題を徹底的に学習するのもアリだ。言うまでもなく、私医受験に難問学習は不要。標準問題で超高得点を取れるようにしなければいけない。(プレミアクラスだとオーバーワーク気味)
  • 難関私大の指定校枠が充実しているが、当然、評定平均値など厳しい条件をクリアする必要があるので、同校に合格したからといって浮かれていると、後悔することになる。中間テスト、期末テスト、課題提出などにしっかり取り組んで、評定値(通知表の点数)を勝ち取ってほしい。
  • 徐々に改善されつつあるが、他校と比べて理科の進度が異常に遅いのがやや気がかり。授業難度も高すぎる。(内容は悪くないのだが、大学受験のことだけを考えると負担が大きい)。理系志望者は、各自で理科だけは中学のうちから早めに対策をしておいたほうがいいのではないか。

生活編
  • 生徒が無断でエレベーターを使用するとたいそう叱られるので、疲れていても階段を使うこと。教員にばれずに乗ってみせるぞ、などという無謀な挑戦をしても、勇者にはなれない。大きな後悔だけが残る。
  • 合唱コンクールなどの学校行事で謎の盛り上がりを見せる。
  • 長らくスマートフォン持ち込み禁止であったが、解禁されそうな気配。もちろん授業中は使用できない。

大学進学実績編
  • プレミアクラスの結果が出そろいつつあるが、九大医学部をはじめ国私立大学医学部医学科の現役合格を複数名出しており、一定の評価ができる。
  • 東大受験に関しては相変わらず弱い。以下はあくまで筆者の個人的感想であるが、同校の授業内容は、在籍生徒レベルよりもやや背伸びになりがちな傾向がある。もっと基本内容を大切にして土台を徹底的に固めた上で受験対策に取り組んだ方が東大合格に近づくのではないか。(※2020年度、ようやく東大合格を出すことに成功した。ただし、近年は近隣の複数の中高一貫校も東大合格者を出せるようになったため、優位性を作るのことはできなかった。)
  • 私大受験に関しては、指定校推薦枠が慶應や関関同立など文系理系ともに充実しており、近隣のマンモス私立校にはない魅力がある。
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照曜館中学校
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